「何から手をつければいいのかわからないまま、時間だけが過ぎていく」。相続した実家をめぐって、そう感じている方は少なくありません。慌てる必要はありませんが、期限のある手続きもあります。最初にやることを順番に整理しましょう。
実家の土地と建物が、いまも亡くなった方の名義のままになっていないかを確かめます。名義は、法務局で登記事項証明書を取得すれば確認できます。
古い家では、亡くなった方よりも前の世代の名義のまま残っていることもあります。その場合は相続人の数が増え、手続きが複雑になるため、早めに司法書士に相談しましょう。
法律で定められた相続人(法定相続人)は、配偶者に加えて、子、子がいなければ親などの直系尊属、それもいなければ兄弟姉妹の順になります。相続人が複数いる場合、家をどうするかは全員で話し合って決める必要があります。
売却や税金の計算では、次のような書類が必要になることがあります。片付けの際に誤って処分しないよう、先に探しておきましょう。
特に、購入時の売買契約書は、売却したときの税金を計算する際に「いくらで買ったか」を示す大切な資料になります。
空き家の問題は「いつかやろう」と先送りにしがちですが、次のように期限が決まっているものがあります。
| 手続き・制度 | 期限の目安 |
|---|---|
| 相続放棄・限定承認 | 相続の開始を知った時から3カ月以内 |
| 相続登記 | 相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内 |
| 空き家の3,000万円特別控除 | 相続開始から3年後の年末までに売却 |
借金が多いなどの理由で相続放棄を考えている場合は、家を売ったり、家財を処分したりする前に、必ず専門家に相談してください。相続財産を処分すると、相続を承認したものとみなされ、放棄できなくなることがあるためです。
手続きの見通しが立ったら、家をどうするかを家族で話し合います。選択肢は大きく分けて「売る」「貸す」「管理しながら残す」の3つです。
「親の家を手放すのは気が引ける」と感じる方もいるでしょう。それは自然な気持ちです。ただ、誰も住まない家は確実に傷んでいき、固定資産税や管理の手間もかかり続けます。結論を急ぐ必要はありませんが、「いつまでに決めるか」という期限だけは家族で共有しておくと、話し合いが前に進みやすくなります。
それぞれの選択肢の特徴は、「売る・貸す・管理する、それぞれの特徴と選び方」で詳しく解説しています。
話し合いを進めるうえで役に立つのが、「この家はいくらくらいで売れそうか」という目安です。金額がわかると、売った場合と、持ち続けた場合の負担を比べやすくなります。
価格の目安は、不動産会社に査定を依頼すると教えてもらえます。査定を受けたからといって、その会社に売却を任せなければならないわけではありません。複数の会社の査定を比べ、価格の根拠をきちんと説明してくれる会社を選びましょう。査定の受け方は「査定を依頼する前に知っておきたいこと」をご覧ください。
すぐに売る義務はありません。ただし、相続登記には3年以内という期限があり、空き家を売ったときの3,000万円特別控除も、相続から3年後の年末までに売ることが条件の一つです。放置すると建物の傷みも進むため、早めに方針を決めておくと安心です。
登記事項証明書は法務局で取得でき、固定資産税の納税通知書は毎年4月ごろに届きます。購入時の売買契約書や権利証(登記識別情報)は、売却や税金の計算で必要になることがあるため、片付けの際に捨てないよう注意しましょう。
【PR】案件未定
売ると決めていなくても、相場を知っておくだけで選べる道が増えます。
外部のサイトに移動します。広告主のサービス内容・条件は、リンク先で必ずご確認ください。
次に読むと、流れがつかめます
空き家を放置するとどうなる? 固定資産税・損害賠償・行政指導のリスク
この記事は、一般的な情報をまとめたものです。法律や税制は改正されることがあり、個別の事情によって結論が変わります。実際の手続きや申告の前に、法務局・市区町村・税務署などの窓口、または弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご確認ください。