「こんなに古い家では、建物があるほうが邪魔になるのでは」そう考えて、解体を急ごうとする方もいます。けれども、解体は費用がかかるうえ、元には戻せません。決める前に、知っておきたいことがあります。
建物の傷みが激しく、仲介でも空き家バンクでも買い手が見つからない場合は、建物を解体して土地として売る方法もあります。
解体の費用は、建物の立地、構造、工事の内容によって大きく変わりますが、少なくとも150万円程度はかかると考えておきましょう。
また、建物を取り壊したら、そのことを登記する「建物滅失登記」が必要です。登録免許税はかかりませんが、一般的には土地家屋調査士に依頼するため、数万円程度の報酬がかかります。
住宅が建っている土地は、「住宅用地の特例」によって固定資産税が軽くなっています。建物を解体して更地にすると、この特例が使えなくなります。
固定資産税は、毎年1月1日の状態をもとに課税されます。そのため、1月2日から12月31日までの間に解体すると、翌年から特例が外れ、土地の固定資産税と都市計画税が上がります。
更地にしたまま長く売れないと、建物があったときの3〜4倍程度の固定資産税を払い続けることになりかねません。解体費用をかけたうえに、税金まで高くなるという事態は避けたいところです。
こうした理由から、「更地にすれば売れる」と高い確度で見込める場合を除き、慌てて解体する必要はありません。
まずは、建物が付いたままで売れるかどうかを不動産会社に相談しましょう。古い家を解体する前提で買い取る買取業者もあります。その場合、解体費用は買取の価格から差し引かれますが、自分で解体の手配をする手間や、更地のまま売れ残るリスクを避けられます。
自治体によっては、空き家の解体費用の一部を補助する制度があります。補助の対象(建物の解体か、ブロック塀の撤去かなど)や金額、上限は、自治体ごとに異なります。
注意したいのは、補助金は原則として解体する前に申請する必要があることです。解体した後では申請できないため、解体を考えたら、まず家のある自治体に問い合わせましょう。
金融機関の中には、空き家の解体費用向けに、金利を優遇したローンを用意しているところもあります。
相続した空き家を売るときの3,000万円特別控除では、建物を解体して土地だけを売ることも、要件を満たす方法の一つです。また、2024年1月1日以降の売却からは、建物を残したまま引き渡し、買主が翌年2月15日までに解体する場合でも、適用を受けられるようになりました。
解体を自分で行うか、買主に任せるかは、費用と税金の両面から考える必要があります。詳しくは「空き家の3,000万円特別控除とは」をご覧ください。
建物がなくなったことを登記する「建物滅失登記」が必要です。登録免許税はかかりませんが、土地家屋調査士に依頼すると、数万円程度の報酬がかかります。
金融機関の中には、空き家の解体費用向けに、金利を優遇したローンを用意しているところもあります。家のある地域の金融機関に問い合わせてみましょう。
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空き家は仲介と買取のどちらで売る? 違いと選び方
法律や税制は改正されることがあり、個別の事情によって結論が変わります。実際の手続きや申告の前に、法務局・市区町村・税務署などの窓口、または弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご確認ください。