「親が元気なうちに、家のことを話すのは気が引ける」。そう感じるのは、親を大切に思っているからこそです。けれども、話し合っておくことは、親の思いを確かめ、将来の家族の負担を減らすことにつながります。
いきなり「この家はどうするの?」と切り出すと、親によっては「早く死んでほしいのか」と受け取ってしまうかもしれません。
話を始めやすいのは、介護や医療の話題です。「もし介護が必要になったら、どこで暮らしたい?」「その場合、この家はどうしようか」というように、親自身の希望を聞く流れで、家のことに話を進めてみましょう。
話し合っておきたいのは、次のような点です。
親の希望を書き残してもらう方法として、エンディングノートがあります。法務省や日本司法書士会連合会が、無料で使えるものを公開しています。
ただし、エンディングノートには法的な効力がありません。家を誰に引き継ぐかを確実に決めておくには、遺言書が必要です。
公証役場で、公証人に作成してもらう遺言書です。無効になるおそれが低く、家庭裁判所での「検認」の手続きも不要なため、最もおすすめできる方法です。作成には公証人の手数料がかかります。
本人が自分で書く遺言書です。費用がかからない反面、書き方の決まりを守らないと無効になるおそれがあります。財産目録に限っては、パソコンで作成したものや、通帳のコピーを使うことができます(各ページへの署名と押印が必要です)。
自筆の遺言書を、法務局に預けておける制度です。
自宅で保管していると、紛失したり、見つけてもらえなかったりするおそれがあります。自筆証書遺言を作るなら、この制度の利用を検討しましょう。
遺言書で実家の引き継ぎ方を決める際は、相続人の共有にするのではなく、特定の一人に引き継ぐ内容にしておくことが有効です。
共有にすると、売却するには共有者全員の同意が必要になります。共有者の誰かが亡くなればその子どもたちに持分が引き継がれ、持ち主はどんどん増えていきます。その結果、売りたくても売れない状態になりかねません。共有のリスクは「兄弟で相続した実家を売るには」でも詳しく解説しています。
実家の将来について話すことは、決して親を急かすことではありません。むしろ、親がこの家にどのような思いを持っているのかを知る、よい機会になるはずです。
親の希望を聞いておけば、いずれ家を手放すことになったときにも、「親が望んでいたことだから」と納得して決断しやすくなります。
遺言書1件につき3,900円です。法務局で保管された遺言書は、家庭裁判所での検認が不要になります。
エンディングノートには法的な効力がありません。誰に家を引き継ぐかを確実に決めておきたい場合は、遺言書を作成しましょう。
次に読むと、流れがつかめます
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