「遠方の実家を相続しても、管理しきれない」。そう考えて、相続そのものを避けたいと考える方もいます。そのための制度はありますが、それぞれに条件や注意点があります。判断を誤らないよう、仕組みを確認しておきましょう。
相続人は、亡くなった方の財産をどのように引き継ぐかを選べます。
| 方法 | 内容 | 手続き |
|---|---|---|
| 単純承認 | 預貯金も借金も、すべての財産を引き継ぐ | 特別な手続きは不要 |
| 限定承認 | 引き継いだ財産の範囲内でのみ、借金を返す | 相続人全員で、3カ月以内に家庭裁判所へ申し立てる |
| 相続放棄 | 一切の財産を引き継がない | 各相続人が、3カ月以内に家庭裁判所へ申し立てる |
3カ月の期限は、相続の開始を知った時から数えます。
相続放棄は、すべての財産を一括して放棄する手続きです。「空き家はいらないが、預貯金は受け取りたい」ということはできません。
相続財産を処分すると、相続を承認したもの(単純承認)とみなされます。相続放棄を考えている場合は、家を売ったり、家財を処分したりする前に、必ず専門家に相談してください。
2023年4月の民法改正で、相続放棄をした時点で財産を現に占有していなければ、その財産を管理する義務を負わないことが明確になりました。
2023年4月27日から、相続した土地を国に引き取ってもらえる制度が始まりました。ただし、どのような土地でも引き取ってもらえるわけではありません。
解体費用も含めると、相応の費用がかかります。売却できる見込みがあるなら、まずは売る方法を検討するのが現実的です。
相続放棄や国庫帰属は、いずれも条件や費用の面でハードルの高い制度です。「どうせ売れない」と思い込まず、まずは不動産会社に相談して、売却の可能性を確かめてみることをおすすめします。古い家でも、買取業者が引き取ってくれる場合があります。
一方、借金が多いなど、相続放棄を検討すべき事情がある場合は、期限が3カ月と短いため、できるだけ早く弁護士や司法書士に相談してください。
2023年4月の民法改正により、相続放棄をした時点でその財産を現に占有していなければ、管理の義務を負わないことが明確になりました。ただし、個別の事情によって判断が分かれることもあるため、弁護士や司法書士に相談しましょう。
法律上、弁護士・司法書士・行政書士が申請書類の作成を代行できます。手続きは簡単とはいえないため、専門家への相談をおすすめします。
法律や税制は改正されることがあり、個別の事情によって結論が変わります。実際の手続きや申告の前に、法務局・市区町村・税務署などの窓口、または弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご確認ください。