空き家の3,000万円特別控除とは? 要件・期限・注意点をまとめて解説

相続した空き家を売ったときに、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例について、10の要件、2027年末までの適用期限、2024年からの改正点、使うときの注意点を解説します。

この記事の要点

「親の家を売ったら、思っていたより税金が高かった」。そうならないために知っておきたいのが、空き家の3,000万円特別控除です。要件が細かく決められているため、売る前に確認しておくことが大切です。

  • 相続した空き家とその土地を売った場合、要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。
  • 相続人が3人以上の場合は、1人あたりの控除額は2,000万円になります。
  • 適用期限は2027年(令和9年)12月31日までの売却です。
  • 相続開始から3年後の年末までに売ることや、1981年5月31日以前に建てられた家であることなど、すべての要件を満たす必要があります。

どのような特例か

家や土地を売って利益が出ると、その利益(譲渡所得)に税金がかかります。この特例は、相続した空き家とその土地を一定の期間内に売り、要件を満たした場合に、譲渡所得から最高3,000万円を差し引けるというものです。
たとえば、譲渡所得が3,000万円であれば、全額が控除され、税金はかかりません。空き家の売却を後押しするために設けられた制度です。
なお、相続人が3人以上の場合、1人あたりの控除額は2,000万円になります。

適用期限

2027年(令和9年)12月31日までの売却が対象です。期限は延長されることもあれば、打ち切られることもあるため、売却の時期を考える際には、最新の情報を確認しましょう。

10の要件

この特例を使うには、次の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 建物だけでなく、土地も相続していること
  2. 相続の開始の日から3年後の年末までに売ること
  3. マンション(区分所有建物)ではないこと
  4. 1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた建物であること
  5. 亡くなった方が、亡くなる直前まで住んでいた家であること
  6. 同じ方の相続で、すでにこの特例を使っていないこと
  7. 配偶者や直系の血族など、特別な関係にある人に売るのではないこと
  8. 売却の金額が1億円以下であること
  9. 売るときに建物がある場合は、一定の耐震性があること。または、建物を解体して土地だけを売ること
  10. 相続してから売るまでの間に、貸したり、住んだりしていないこと

このほかにも細かな条件があります。実際に使えるかどうかは、税務署や税理士に確認してください。

緩和された要件

  • 老人ホームに入っていた場合:2019年4月1日以降の売却からは、亡くなる直前に老人ホームなどに入所していた場合でも、要件5を満たすものとされるようになりました。
  • 買主が解体・耐震改修する場合:2024年1月1日以降の売却からは、建物を残したまま引き渡し、売った年の翌年2月15日までに買主が解体や耐震改修を行った場合でも、適用を受けられるようになりました。

使うときに気をつけたいこと

期限から逆算して動く

要件2の「相続開始から3年後の年末まで」は、思いのほか短い期間です。相続登記、家財の片付け、相続人どうしの話し合い、売却活動と進めていくと、時間はすぐに過ぎてしまいます。
仲介で売る場合、買主が見つかるまでの期間は読めません。期限が迫っている場合は、早く売却を決められる買取も選択肢に入れて検討しましょう。買取は価格が安くなるのが一般的ですが、この特例を使えるかどうかで、手元に残る金額が大きく変わることがあるためです。

「貸す」「住む」を選ぶと使えなくなる

相続した後に家を貸したり、相続人が住んだりすると、要件10を満たさなくなります。売る可能性があるなら、貸す前にこの特例のことを考えておきましょう。

確定申告が必要

この特例を使うには、売った翌年に確定申告をする必要があります。市区町村が発行する確認書など、申告に必要な書類もあるため、早めに準備しましょう。


まとめ

空き家の3,000万円特別控除は、使えるかどうかで税額が大きく変わる制度です。一方で、要件が細かく、期限もあります。売却を考え始めた段階で、税務署や税理士に「この家で使えるか」を確認しておくと安心です。


よくある質問

Q. マンションでも使えますか?

使えません。区分所有建物(マンション)は対象外とされています。

Q. 親が老人ホームに入っていた場合も使えますか?

2019年4月1日以降の売却からは、相続の開始の直前に老人ホームなどに入所していた場合でも、一定の要件のもとで対象になりました。詳しい要件は税務署で確認しましょう。

Q. 建物を解体しないまま売っても使えますか?

2024年1月1日以降の売却では、売った年の翌年2月15日までに、買主が建物の解体や耐震改修を行った場合でも適用を受けられるようになりました。


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ご注意

こ法律や税制は改正されることがあり、個別の事情によって結論が変わります。実際の手続きや申告の前に、法務局・市区町村・税務署などの窓口、または弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご確認ください。