
不動産会社による売却活動が進むと、いよいよ「この家、実際に見てみたいです」という購入希望者が現れます。ここからは、売却が成立するかどうかを左右する、とても重要なステップに入ります。
購入希望者が実際に家を見学することを「内覧(ないらん)」と言います。写真や間取り図だけでは伝わらない家の魅力を感じてもらう、大切な機会です。
「遠方に住んでいるから、内覧のたびに立ち会うのは難しい…」
ご安心ください。空き家の内覧は、不動産会社の担当者が鍵を預かり、あなたの代わりに対応してくれるのが一般的です。あなたがやるべきことは、内覧の日までに、家の印象を少しでも良くしておく「事前準備」です。
ほんの少しの手間で、見学者の心証は驚くほど変わります。以下の4つのポイントを、できる範囲で準備しておきましょう。
お掃除
長年誰も住んでいなかった家は、ほこりや汚れがたまっています。特に、家の顔である玄関、清潔感が気になるキッチン・トイレ・お風呂などの水回りは重点的にきれいにしましょう。難しい場合は、プロのハウスクリーニングを一度だけ依頼するのも有効な手段です。
換気
締め切った家の空気は、どうしても淀んでしまいます。内覧の前には必ず窓を開けて、家全体の空気を入れ替えるよう、不動産会社の担当者にお願いしておきましょう。さわやかな空気だけで、家の印象はぐっと良くなります。
明るさの確保
内覧当日は、すべての部屋のカーテンを開け、照明を点けてもらうよう、これも担当者にお願いしてください。明るい家は、広く、そして暖かく感じられます。
荷物の整理
もし家の中にまだ荷物(残置物)が残っている場合は、できるだけ片付けておきましょう。何もないすっきりとした空間の方が、購入希望者も「ここにソファを置いて、あそこにテーブルを…」と、新しい生活をイメージしやすくなります。
内覧後、購入希望者が「この家を買いたい」と本気で考えてくれた場合、不動産会社を通じて「購入申込書」(「買付証明書」とも言います)という書類が提出されます。ここには、購入希望価格や引き渡しの希望日などが書かれています。
希望価格が、あなたが売り出している価格よりも低い金額で提示される、いわゆる「価格交渉」が入ることも珍しくありません。
ここでも、心配は不要です。価格の交渉は、すべて不動産会社の担当者が間に入って進めてくれます。あなたは購入希望者と直接話す必要は一切ありません。
担当者は、相手の希望をあなたに伝えた上で、「この金額なら受け入れても良いのでは」「もう少し強気に交渉してみましょう」といったプロの視点からのアドバイスをくれます。そのアドバイスを参考に、最終的にどうするかを決めるのは、もちろんあなた自身です。納得のいく条件になるよう、担当者としっかり相談しながら進めましょう。
▶【次のアクション】
購入希望者との間で価格や条件がまとまったら、いよいよ次は「売ります」「買います」という正式な約束を交わすステップに進みます。次のステップでは、法的な効力を持つ「売買契約」について見ていきましょう。
当サイトは、不動産の専門家ではない一個人が、自身の「空き家売却」の体験を元に作成した情報発信サイトです。
かつての私自身がそうであったように、「何から手をつけていいか分からない」「専門用語が難しくて理解できない」といった、空き家売却初心者が抱えるであろう不安や疑問に、実体験を通して寄り添うことを目的としています。
ここでは、不動産会社のウェブサイトにあるような模範的な情報だけではなく、実際に私が経験した成功談、そして時間やお金を無駄にしてしまった失敗談、思わぬトラブル、後悔した点などを、個人の視点から正直に綴っています。
このリアルな体験談が、これから空き家売却に臨む方々にとって、少しでも道しるべとなり、後悔のない選択をするための一助となれば幸いです。
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