空き巣や放火のターゲットにされないために!今日からできる空き家の防犯対策5選

前回は、「実家を売りたくない」と反対する家族との話し合い方を紹介しました。

売るか、残すか。家族の答えが出るまでには、時間がかかることもあります。
その間も、空き家は毎日そこに建っています。
そして、人が住んでいない家だからこそ、気をつけたいのが「空き巣」と「放火」です。

この記事では
・空き家の持ち主は何を心配しているのか
・侵入や放火は、どんなところから起きているのか
・今日からできる防犯対策5つ
をまとめます。

持ち主の2人に1人が「侵入・放火」を心配している

国土交通省が2025年8月に公表した調査で、空き家の持ち主に「管理で心配なこと」を聞いています(複数回答)。

半分の方が放火や侵入を警戒

いちばん多いのは「住宅の腐朽・破損の進行」で75.7%。続いて「樹木・雑草の繁茂」58.0%、「地震・台風・豪雪などによる損壊」56.9%です。そして「不審者の侵入や放火」も51.7%。持ち主の2人に1人が、侵入や放火を心配しています。 離れて暮らしていると、家の様子はなかなか分かりません。「何かあってからでは遅い」という不安は、多くの持ち主に共通しているようです。

侵入の入り口は窓、手口は「鍵のかけ忘れ」がいちばん多い

では、泥棒はどこから、どうやって家に入っているのでしょうか。警察庁がまとめた、一戸建て住宅をねらった侵入窃盗のデータ(2023年)があります。

窓と無施錠

 入り口でいちばん多いのは「窓」で55.2%。表の出入口(20.2%)の2倍以上です。入り方では「無締り(鍵のかけ忘れ)」が46.3%でトップ。「ガラス破り」の35.8%を上回っています。 これは空き家に限らない、一戸建て全体のデータです。それでも、鍵をかけていない窓や勝手口が、いちばんの弱点になりやすいことが分かります。空き家では、換気のために開けた窓を閉め忘れたり、古い鍵が壊れていたりしても、気づくまでに時間がかかります。

放火は出火原因の4位。

疑いも含めると約1割 次は火災です。消防白書によると、2024年の火災は37,141件でした。

放火は身近に起こっています


出火原因の1位は「たばこ」(3,058件)。「たき火」「こんろ」に続く4位が「放火」で2,377件です。「放火の疑い」も合わせると3,904件で、火災全体の10.5%を占めます。 放火を防ぐ基本は、家の周りに燃えやすい物を置かないことです。空き家の周りに段ボールやゴミ、古新聞が置きっぱなしになっていると、それが火種になりかねません。空き家が燃えれば、隣の家に燃え移るおそれもあります。自分の家だけの問題ではないのです。人の気配が少ない家ほど、傷みやすく、動き出しにくい 最後に、「どのくらいの頻度で空き家を見に行っているか」と、家の状態の関係を見てみます。

人の気配と活用との関係性

 屋根の変形や柱の傾きなど「構造上の不具合」が生じていた割合は、・ほぼ毎日管理している家:15.3%・年に1〜数回の家:24.3%・数年に1回の家:33.3%でした。 さらに、この1年ほどで空き家でなくなった(売却・賃貸・入居など)割合は、ほぼ毎日管理している家で26.1%、数年に1回の家で10.5%でした。 これは「管理したから傷まなかった」と言い切れるデータではありません。もともと家の近くに住んでいる、家に関心が高いといった事情もあるでしょう。ただ、人の出入りがある家ほど状態がよく、次の使い道も決まりやすい傾向ははっきり出ています。人の気配は、防犯にとっても、家そのものにとっても大切です。 なお、2023年12月に施行された改正空家特措法では、放置すれば危険になるおそれのある「管理不全空家」が勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例(最大6分の1に減額)が外れます。同じ調査では、こうした固定資産税の扱いを「知らない」と答えた人が5割を超えていました。防犯の手入れは、税金を守ることにもつながります。今日からできる空き家の防犯対策5選 ここまでのデータをもとに、今日からできる対策を5つにまとめました。

おすすめ防犯対策5選

 1. 鍵と窓を見直す侵入の入り口は窓、手口は鍵のかけ忘れが最多でした。帰るときは、すべての窓・勝手口・雨戸の施錠を確かめます。補助錠や防犯フィルムをつけると、ガラス破りにも時間がかかり、「入りにくい家」になります。
2. 郵便物と庭を整えるポストからあふれたチラシや、伸び放題の雑草は「誰も住んでいない」という目印になります。郵便局の転送サービスを使う、ポストをふさぐ、定期的に草刈りをするだけでも、印象は大きく変わります。
3. 燃えやすい物を置かない家の周りの段ボール、ゴミ、古新聞、枯れ草を片付けます。灯油やガソリンの容器を物置に残していないかも確認しましょう。放火の火種を減らすことが、いちばん手軽な放火対策です。
4. 光とカメラで「見られている」と伝える人が近づくと点くセンサーライトや、防犯カメラ、防犯ステッカーは、侵入をためらわせる効果が期待できます。電気を契約していなくても使える、電池式やソーラー式の製品もあります。
5. 見回りの仕組みを作るできれば月に1回以上は家を見に行き、窓や鍵、郵便物、庭の様子を確かめます。近所の人に連絡先を伝えておけば、異変にすぐ気づいてもらえます。遠方で通うのが難しい場合は、空き家の管理サービスや、自治体の相談窓口を調べてみるのも一つの方法です。

まずは、次に家へ行く日に「戸締まりと片付け」から

防犯対策は、お金をかけなくてもできることから始められます。
今日からできることを挙げます。
・次に家へ行く日を決め、すべての窓と勝手口の鍵を確認する
・家の周りの段ボールやゴミを片付ける
・近所の人に、連絡先を一言伝えておく
・通うのが難しい場合は、管理サービスや自治体の窓口を調べてみる
それでも「毎月通い続けるのは大変」と感じたら、それは家の今後を考えるサインかもしれません。貸す、売る、解体するなど、人が使う形にすることが、結局はいちばんの防犯になります。
どれが正解かは家庭によって違いますが、まずは家を守りながら、家族で話し合う時間をつくってみてください。

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■出典・国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査 報告書」(2025年8月29日公表)https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000233.html・総務省消防庁「令和7年版 消防白書」第1章第1節 火災の現状https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r7/chapter1/section1/para1/69229.html・警察庁「住まいる防犯110番」(令和5年の侵入窃盗データ。広島県「住まいの防犯」資料に掲載の値を使用)https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/597277.pdf・熊本県「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律の施行について」https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/117/192847.html ※管理で心配なことは、空き家を所有する世帯(約138万1千世帯の推計)への複数回答です。※侵入口・侵入手段は、空き家に限らない一戸建て住宅をねらった侵入窃盗のデータです(侵入口は13,490件の内訳)。※放火の件数は2024年中の全国の火災です。空き家での放火に限った数字ではありません。※管理の頻度別の比較は、主な管理者がいる空き家についての集計です。「この1年ほど」は2023年10月1日から2024年12月1日までです。比較は傾向を示すもので、因果関係を示すものではありません。※固定資産税の扱いを「知らない」の割合は、特定空家等の敷地に係る措置で53.7%、管理不全空家等の敷地に係る措置で55.1%です。※防犯対策の効果は家の立地や状態によって異なります。地域の防犯情報は、最寄りの警察署や自治体にご確認ください。

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